Z1000J エンジンオーバーホール
 その3


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 組み立ての続きです。

 燃焼室のフチに加工時の”返り”が出来ているので、それを丁寧に削り取ります。 コレはたいした問題では有りません。他のヘッドでもやる作業です。
 Zシリーズの初期のヘッドは燃焼室内も機械加工してあって綺麗だったのですが、型が変わるたびに徐々に手が抜かれて?きました。
 このヘッドは新品で出てくる最後の物と思われますからザラザラなままですね。(笑)

 問題はコレ!エキゾースト側のシートリングのシートカットがデタラメで、新品ヘッドに新品バルブでも閉じません。右の画像で当たり面に青い色が付くようにして有りますが盛大に当たっている所と、全く色が付いていない(当たっていない)所が有るのが解ると思いますが、ココ最近注文したヘッドは全てがこんな状態でしたから、現在の他のメーカー在庫分も似たようなものでしょう。
 
 何でこんな変なシートカットされたヘッドが製品として出荷されるのか?理解に苦しみますが、残念ながらシートカットし直しです。 ですが、それでも新品が有る車種は交換するメリットは大きいと思います。
 
 バルブガイド穴を修正してガイドの外径の太いものを作って入れなおし。穴径を修正。シートリングを削り取り新しく作ったシートリングに入れ替えてシートカット。ヘッドの6mmネジ部を全てヘリサート加工。 ここまでで”かなりいい金額”になってしまいますからね!
 そうは言ってもオリジナルを直したいという方はいらっしゃると思います。そういう時はどこまででも直します。ご安心下さい。

 シートカット後摺り合わせをして洗浄。組み立てます。
 元々入っていたバルブは長さを詰めていなかったので当たり面をリフェイスして再使用しました。(予算もあったんですけどね) 
 
 以前のヘッドではシートカットが限界以上して有ったのですが、そのつじつま合わせにバルブの長さ調整ではなく、シムが研磨してありました。表面の熱処理部分が削られてしまったので虫食い状態になっています。
 コレのせいでカムまで虫食い状態になっていたので中古の物と交換しました。 長い時間エンジンを開けないストリートバイクではシム研磨はやらないほうがいいと思います。

 相変わらずの腰痛持ちの私はクランクケースを組み立てたらフレームに積んでしまいます。
 ボルト類は全て新品です。

 元のクラッチプレートはこんな感じで焼けていました。オーバーホール時はフリクションプレートやスプリングも全て交換しますが、使用するのはノーマルです。結構馬力を出しても平気です。
 本当はクラッチハウジングも少しガタが出ていたので交換したかったのですが、予算がショートしていたのでそのまま使います。レースに使うわけでは無いし、J系はケースを割らなくても交換できるので後で予算ができた時に入れ替えればいいでしょう。

 予算がショート気味でも、ちょっとボアアップしたいのは皆さん同じです(笑) オイルポンプも一度バラバラにしてチェックをしてから組み込みます。
 ホントはYRPさんのオイルポンプを組みたいですけどね〜

 組んでいたのが閉店後だったので途中から画像も取り忘れて一気に組み立て終了!(笑) 集中すると画像とか忘れて組み立てちゃうんですよね〜。 この画像は次の日の朝撮りました。

 特別な事は何もしていませんが、きれいで調子のいいエンジンになっていると思います。
 この後はオーナーが自分で少しずつ作業して組み立てていくそうです。
 こういうスタンスで趣味バイクを仕上げていくのもイイですよね!
 また出来ない所が出たら持ってきてください。相談に乗らせていただきます!